京都寺町で異様に存在感のある「すき焼きキムラ」。
気にはなるけど、なんとなく入りづらい雰囲気。
創業は昭和初期。
和牛すき焼きランチが2200円で食べられます。
なぜかトンボのイラストが添えられてる。
1F入口には下足番がいて、靴を脱ぐと番号の書かれた青札を渡され2Fへ。
煤けた畳、赤い簡易テーブル、どこかぼやっとした雰囲気。
高級なすき焼き屋ではなく、大衆的な感じがする。
すき焼き専門だと分かるメニュー。
肉を使った他料理が全くない、好感が持てる。
すき焼きの作り方が書かれたレシピ。
自分達でワイワイ作って食べるのである。
裏面は英語、外国人観光客も大勢来るのだろうか。
中国人っぽいお客さんはいましたが。
客間からの景色、決して美しい景色ではないが、ン十年と歩いた寺町通りを上から眺めるのは斬新だ。
和牛すき焼きランチを2人前注文、店員からは一気に鍋には入らないので分割して入れるよう指示がある。
たしかに鍋が小さい。
ライス、茶碗に大盛となる。
野菜を先に入れ、肉で野菜を蓋するように野菜を蒸し焼きに。
これを3回繰り返し、食べていく。
なるほど、大きな鍋で一気に焼けば早く楽かもしれない。
しかし、時間をかけ、鍋をゆるりと楽しむのなら小さな鍋で少しずつ焼いては食べ、焼いては食べを繰り返す方がいい。
店側としては、とっとと食べて帰ってもらう方が効率がいいのに、客に長っ尻させる。
客思いの良い店だ。
だからこそ昭和初期から長年愛されているのだろう。
シンプルな伝票、隅に「御心付は堅く御辞退申し上げます。」の文字。
すき焼きだけで儲ける気質がうかがえる。
食事が終わり2Fで会計を済ませ、1Fへ。
帰りに青札の番号を伝え、下足番が片付けた靴を出してくれるシステム。
外からだと今まで1Fは会計をするレジだと思っていた。
実際に入らないと分からないものだ。
評価
★★★★★ 5/5点
すき焼き自体は、家で食べるのとあまり変わらない。
しかしながら、店が醸し出す雰囲気は絶品だ。
これは店に入らないと味わえない。
なんとも言えない感覚だ。